1
00:00:12,160 --> 00:00:22,160
AIと協働するうえで、いちばん実践的なスキルのひとつを掘り下げます。効果的なプロンプトを書くことです。むずかしそう・複雑そうに聞こえるかもしれませんし、そう見せている手引きもありますが、

2
00:00:22,160 --> 00:00:31,840
その核心は、おどろくほどシンプルです。プロンプト作成とは、このコースの「描写」の力を、実際に使うことそのもの。ほしいものは何か、どう進めてほしいか、

3
00:00:31,840 --> 00:00:41,200
そしてやり取りのあいだ、AIアシスタントとどう関わりたいかを、はっきり伝えることです。プロンプトは、やる気はあるけれど、

4
00:00:41,200 --> 00:00:52,000
最高の働きをするには明確な指示と期待値が要る——そんな新しい同僚に、仕事を説明するイメージで。このセクションでは Claude を使いますが、コツは多くのAIにも応用できます。

5
00:00:52,000 --> 00:01:02,960
「プロンプトエンジニアリング（プロンプト設計）」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、Claude のようなAIシステム向けに、効果的な指示を設計する営みのこと。質問の組み立て方や、

6
00:01:02,960 --> 00:01:13,280
コンテキストの渡し方を工夫して、AIアシスタントに「ほしいものは正確にこれだ」と伝わるようにすることです。おもしろいのは、効果的なプロンプト作成が、人になじみ深いコミュニケーションのスキルに、

7
00:01:13,280 --> 00:01:23,360
AIならではの工夫を少し足したものだという点です。人どうしのよい会話を成り立たせる原則——明確に、関係する文脈を添えて、具体例を見せる——の多くは、

8
00:01:23,360 --> 00:01:33,119
AIとの協働にもそのまま効きます。ただし違いもあります。人なら自然に察することも、より明示的に伝える。AIのコンテキストウィンドウの制限に配慮する。そして時には、

9
00:01:33,119 --> 00:01:44,560
使うAIによっては、機械が処理しやすい特定の書式を使う。AIアシスタントが進化し続けるにつれ、プロンプトの上手なやり方も変わっていきます。

10
00:01:44,560 --> 00:01:54,399
今日のAIで効くことが、明日のAIでは違うかもしれません。自分のニーズに何がいちばん効くかは、試して見つけるのが肝心です。この動画では主に、

11
00:01:54,399 --> 00:02:04,399
Claude や他のAIと効果的にやり取り・協働するのに大きく役立つ、6つの基本テクニックを見ていきます。それは、Claude にコンテキストを与える、良い例を見せる、

12
00:02:04,399 --> 00:02:17,520
出力の制約を指定する、複雑なタスクを段階に分ける、Claude にまず考えてもらう、そして Claude の役割・スタイル・トーンを決める、の6つです。1つめの原則はシンプルですが

13
00:02:17,520 --> 00:02:29,120
強力です。何がほしいか、なぜほしいか、そして——いちばん意外かもしれませんが——あなたが誰かを、具体的にすること。簡単なプロンプトで考えましょう。「気候変動について教えて」。これを

14
00:02:29,120 --> 00:02:40,160
Claude にもっとコンテキストを与えて、どう良くできるでしょう。具体的でコンテキストの豊かな版は、こんな感じです。「熱帯地域の農業への気候変動の主な影響を3つ、過去10年の例を挙げて

15
00:02:40,160 --> 00:02:50,560
説明して」。元のプロンプトは曖昧で、こちらの興味・知識レベル・ほしい詳しさ（地域や期間など）を、Claude に推測させてしまいます。

16
00:02:50,560 --> 00:03:00,400
さらにコンテキストを足せます。何を探しているかだけでなく、なぜ尋ねているのか、Claude の答えをどう使うのかまで。すると、プロンプトは

17
00:03:00,400 --> 00:03:10,959
こうなります。「熱帯地域の農業への気候変動の主な影響を3つ、過去10年の例を挙げて説明して。インドネシアの農業研究所の

18
00:03:10,959 --> 00:03:21,200
就職面接に備えています。生態学の学位はありますが、気候変動の専門知識はありません。面接で的確に話せるよう、重要な概念の要点をまとめて」。こうして足した

19
00:03:21,200 --> 00:03:30,080
コンテキストが、Claude の応答を、あなたの状況と知識レベルにぴたりと合わせてくれます。こうした背景情報は、人どうしの会話では自然に渡しているのに、

20
00:03:30,080 --> 00:03:40,640
Claude と話すときは入れ忘れがちです。ときには「語る」より「見せる」ほうが効きます。ほしい出力の例を渡すのは、おどろくほど効果的です。これは技術の世界では

21
00:03:40,640 --> 00:03:50,799
「few-shot（フューショット）プロンプト」「n-shot プロンプト」と呼ばれます（n は見せる例の数）。要は、まねしてほしい例をAIに見せるだけのこと。

22
00:03:50,799 --> 00:04:00,720
たとえば、次のプロンプト。「この技術的な文を、平易な言葉に直して。『このプラットフォームはエンドツーエンドの暗号化プロトコルを実装し、データの整合性を保護する』」。

23
00:04:00,720 --> 00:04:10,799
Claude はこれを、もう十分なレベルでこなせるかもしれません。なので、まずは例なしで試して、どうなるか見てみるのがおすすめです。ただ、Claude に従ってほしい

24
00:04:10,799 --> 00:04:20,478
スタイルがはっきりあって、それが説明するより例を見せたほうが早い場合もあります。そんなときの作り直したプロンプトは、こんな感じです。「専門用語を平易な言葉に直す例を2つ示します。

25
00:04:20,478 --> 00:04:32,000
元の文『この量子アルゴリズムは二次の高速化を示す』。平易『この新しい方法は、これまでの方法のおよそ2倍の速さで問題を解く』。元の文『このインターフェースは

26
00:04:32,000 --> 00:04:43,919
直感的なデザインパラダイムを活用する』。平易『このデザインは、わかりやすく使いやすい』。では、この複雑な技術マニュアルを、平易な言葉に直して」。例を渡すときは、

27
00:04:43,919 --> 00:04:53,759
ありうるパターンの幅を広くカバーするよう心がけます。異なるケースやスタイルを含む例を見せると、Claude は、まねしてほしいパターンの広がりをよりよく理解できます。

28
00:04:53,759 --> 00:05:03,280
出力の制約をはっきりさせること——Claude の応答にほしい形式や長さ、書いてほしいプログラミング言語、デザインさせるウェブページのボタンの色など——も、

29
00:05:03,280 --> 00:05:14,240
ほしいものを正確に受け取るのに役立ちます。Claude にぴったりのものを返してもらうための、明確で詳しい描写の例がこちらです。「すっきりした

30
00:05:14,240 --> 00:05:24,000
モダンな、1ページのアート・ポートフォリオサイトを作って。次の主要セクションを入れて——ヒーロー、自己紹介、スキル、ポートフォリオ、プロジェクト、経歴、連絡先。ナビゲーションメニューは固定で、

31
00:05:24,000 --> 00:05:34,240
レスポンシブに。モバイルではハンバーガーメニューに。配色は夕焼けのパレットで、ナビにダーク／ライトの切り替えを追加して」。こうした手引きが、Claude の応答を、

32
00:05:34,240 --> 00:05:45,199
あなたの期待に合う形に整えてくれます。複雑なリクエストのときは、小さな段階に分けると、Claude はあなたの考えをたどりやすくなり、よりよい結果を返せます。こう考えてみてください。

33
00:05:45,199 --> 00:05:54,400
友人に、やり方を指定せず何かを頼んだら、思ったとおりにやってくれないことがありますよね。誰しも経験があるはずです。タスクの手順を書き出すと、

34
00:05:54,400 --> 00:06:04,720
Claude は、あなたが望む進め方どおりに作業を進められます。これは「思考の連鎖（chain-of-thought）」プロンプトと呼ばれることもあります。たとえば、「この四半期の

35
00:06:04,720 --> 00:06:14,080
売上データを分析して」と頼むかわりに、こう言えます。「この四半期の売上データを分析したいです。次の進め方でお願いします。売上記録を見て売れ筋の商品を特定し、今四半期の結果を

36
00:06:14,080 --> 00:06:23,440
前四半期と比較し、いつもと違う傾向やパターンを指摘して、そのうえで、その傾向の考えられる理由を提案して」。ふだんは、ここまでしなくてよいこともあります。とくに

37
00:06:23,440 --> 00:06:33,680
わりと単純なタスクなら。さらに、最近の推論モデルや拡張思考モデルは、自分で段階を踏んで考える力をどんどん高めています。

38
00:06:33,680 --> 00:06:44,319
それでも、自分のニーズに合うよう、その過程を導くことはできます。タスクをうまくこなすやり方に幅があるほど、また、うまくこなすことが、

39
00:06:44,319 --> 00:06:53,520
あなたが専門家として培ってきた経験や知識に頼るほど、その知識を Claude に翻訳して渡す時間をかける価値があります。関連して、ときには、

40
00:06:53,520 --> 00:07:04,800
Claude のようなAIアシスタントに、タスクを実行する前に、まず考えを進める「間」をはっきり与えると役立ちます。この進め方は、Claude がより丁寧で、よく練られた応答を返すのに役立ちます。

41
00:07:04,800 --> 00:07:14,160
たとえば、プロンプトにこう足せます。「答える前に、この問題をじっくり考えてください。関わるさまざまな要因、ありうる制約、いくつかの

42
00:07:14,160 --> 00:07:24,560
やり方を検討してから、最良の解決策を勧めて」。お伝えしたとおり、最近の推論・拡張思考モデルは、初期設定で「実行の前に考える」ようになっています。でも、

43
00:07:24,560 --> 00:07:35,039
初期設定では先に考えないAIアシスタントを使っているなら、そうするよう促せます。大事なのは、AIアシスタントに考える「間」を与えるのは、タスクの“あと”ではなく“前”だということ。

44
00:07:35,039 --> 00:07:45,440
その思考でAIの仕事の質を上げたいなら、です。ちょうど、行動の前に考える「間」があるのと、まず行動してから「考えを説明して」と後で頼まれるのが、別物であるように。

45
00:07:45,440 --> 00:07:56,560
おまけの利点として、こうすると、AIアシスタントがどこで道を外れそうかも見えやすくなります。つまり、どこでもっと手引きを渡せば「描写」の力をさらに磨けるかが分かるのです。

46
00:07:56,560 --> 00:08:06,400
Claude にどうコミュニケーションし、どうふるまってほしいかを指定すると、タスクへの取り組み方が大きく変わります。期待する専門性のレベル、取ってほしい視点、

47
00:08:06,400 --> 00:08:17,840
あるいはコミュニケーションのスタイルを指定すると、Claude とのやり取りと、最終的な成果物の両方を導けます。ひとことで言えば——AIに「誰として」ふるまってほしいか、です。たとえば、このプロンプト。

48
00:08:17,840 --> 00:08:27,199
「虹のできかたを、科学に興味のある聡明な10歳の子に話す、経験豊富な理科の先生の視点で説明して」。これは、アイデアを出したり

49
00:08:27,199 --> 00:08:37,679
フィードバックをもらうのにも良い方法です。一般的な役割を指定してもいいし、物理の説明を頼むときにリチャード・ファインマンのような特定の人物の「ペルソナ」を演じてもらうこともできます。もうひとつ例を。

50
00:08:37,679 --> 00:08:47,360
「UXデザインの専門家として、このウェブサイトのワイヤーフレームを見て、ユーザーの操作性とアクセシビリティに絞って改善案を3つ提案して」。そして、おそらくいちばん強力なテクニックが、

51
00:08:47,360 --> 00:08:56,880
プロンプトの改善を Claude 自身に手伝ってもらうこと。何をどう頼めばいいか、プロンプトをどう良くすればいいか分からないときは、困っていることや状況を Claude に説明して、

52
00:08:56,880 --> 00:09:08,640
プロンプトを良くして、あるいは書いてもらいましょう。「Claude、あなたに〇〇を手伝ってほしいのですが、最良の結果を得る頼み方が分かりません。これに効果的なプロンプトを、一緒に作ってくれますか」。ここは、

53
00:09:08,640 --> 00:09:19,080
Claude や他のAIアシスタントで、性能の差がいちばん出やすいところです。なので、委任の練習の一環として、いろいろなモデルを試してみることをおすすめします。効果的なプロンプト作成は、反復と

54
00:09:19,080 --> 00:09:29,839
実験がすべてです。AIシステムも、上手なやり方も、たえず進化しています。今日効くことが、明日には変わるかもしれません。最初の一発で完璧な結果が出ないのは、当たり前のこと。

55
00:09:29,839 --> 00:09:40,000
応答がほしいものと少し違うときは、紹介したテクニックのどれかを使って、アプローチを磨いてみましょう。具体性やコンテキストを足す。

56
00:09:40,000 --> 00:09:50,880
ほしい出力の例を渡す。タスクを小さな段階に分ける。そして、別のテクニックや、組み合わせを試す。「3つの違う案を出して」のように、バリエーションを

57
00:09:50,880 --> 00:10:00,320
頼むこともできます。「段落ではなく、操作できるアーティファクトで見せて」のように、違う形式を求めることも。アーティファクトは、

58
00:10:00,320 --> 00:10:09,760
Claude が、より分かりやすく・より興味深く受け取れる出力を作れる、ユニークな方法です。確信度を確かめることもできます。事実に関する質問なら、「この答えに

59
00:10:09,760 --> 00:10:19,040
どれくらい自信がありますか」と。会話をまるごとリセットするのも手です。ときには、脱線した会話を直そうとするより、新しい会話を始めたほうが

60
00:10:19,040 --> 00:10:30,240
良い結果になります。一回一回のやり取りを、次のプロンプトを良くするフィードバックとして使いましょう。続けるうちに、どんなAIにも効果的に伝える「勘」が育っていきます。

61
00:10:30,240 --> 00:10:39,440
これらのテクニックを実践するときの手引きを、おさらいします。いつも安定して効くパターンがあります。まず明確なタスク概要の一文から始める。形式の指定や

62
00:10:39,440 --> 00:10:49,680
例を入れる。明示的な制約や要件を示す。関連する豊かな背景情報を渡す。一方、避けたい失敗は——Claude が心を読めると思い込むこと。

63
00:10:49,680 --> 00:10:59,440
ひとつのプロンプトや会話に、無関係なタスクを詰め込みすぎること。「成功」がどんな形かが曖昧すぎること。そして、前の応答にフィードバックを返さないこと。

64
00:10:59,440 --> 00:11:08,640
おさらいすると、Claude のようなAIとの効果的なコミュニケーションは、時代を超えた人のコミュニケーションの原則と、AIならではのテクニックを組み合わせたものです。

65
00:11:08,640 --> 00:11:17,680
ここで扱ったやり方は、さまざまなAIで役立ちます。この6つの原則と、「Claude に助けを求める」という奥の手を合わせれば、

66
00:11:17,680 --> 00:11:28,800
「描写」の力をAIとのやり取りに活かすための、しっかりした道具箱になります。ここでは、反復と実践こそが、すばやい上達と習熟のカギです。

67
00:11:28,800 --> 00:11:39,959
プロンプトエンジニアリングは、進化し続ける営みだと忘れずに。モデルが良くなれば、特定のテクニックは、あまり要らなくなっていきます。それでも、

68
00:11:39,959 --> 00:11:45,640
良いコミュニケーションのこれらの原則は、使い方が変わっても、なお大切です。実験する心を持ち続け、結果をもとに、自分のやり方を調整していきましょう。
